手動運転装置SWORDプロジェクト
"SWORD"は、足の不自由な方向けに、10年かけて開発した装置。自動車を改造することなく、
装着すれば手のみで運転操作ができるようになります。車いすを使用する当事者と共に、試行錯誤の末に完成させました。...more

SWORDプロジェクト
足の不自由な方のための手動運転補助装置"SWORD"は、
アクセルペダルとブレーキペダルに装着することで、自動車を改造することなく、手による運転操作を可能にする装置です。
自らが車いす生活者である、あい・あーる・けあ(株)代表取締役 故落合克良氏が考案した基本アイデアをもとに、
今野製作所の技術陣が実用化に向けた開発を担い誕生しました。
改造した特別な専用車ではなく、社有車やレンタカーも運転できるようにしたい。
いつも誰かの車に乗せてもらうのではなく、自分も運転者として、
友人や同僚に「途中で運転を交代するよ」と言いたい。そうした想いから生み出された商品です。
今野製作所は2014年、自動車の改造を要さない「後付け可能」という"SWORD"の特徴を、 ASEAN諸国の障害者ドライバーのために役に立てようという取り組みを、スタートさせました。 途上国では、急速にモータリゼーションが進んでいますが、日本のような自動車の改造技術やサービスは普及していません。 いまある自家用車や中古車を活用できるSWORDであれば、経済的に厳しい途上国の障害者に自動車運転への近道を提供することができます。 自動車運転は、就業機会や高等教育機会の拡大に寄与します。
2014年9月、今野製作所はミャンマーの障害者支援団体MILI(Myanmar Independent Living Initiative:ミャンマー自立生活協会)に、 SWORDを寄贈。代表のネイ・リン・ソー氏が、運転免許証の取得を目指すことになりました。下肢障害者であるネイ・リン・ソー氏は、 日本に短期留学経験があり、日本では障害者でも自動車運転ができることを知っていました。いつか自分もという夢を抱いていました。 SWORDによって教習所に通いだすと、めきめきと上達。2015年6月に晴れてミャンマー初の障害者ドライバーとなったのです。
こうした実績をもとに、2016年6月、JICA/外務省の、ODA案件化調査事業に採択されました。 タイにおいて、下肢障害者の運転免許取得へのサポート体制や運転装置の市場の可能性についての調査を、 (株)東京医療コンサルティング(港区:代表取締役尊田京子氏)との共同事業で実施します。 医療・福祉に詳しい専門コンサルスタッフと理学療法士などの専門家の支援も得たプロジェクト。 リハビリ段階での運転可能性判断、運転技術の教習、行政機関による免許証交付、自動車および運転補助装置の購入・取り付けまで、 下肢障害者の運転機会を拡大するための一連の日本の経験を、ASEAN諸国に提供しようという試みが、多くのみなさまの協力でいま動き出しました。


東京町工場ものづくりのワ
"東京町工場 ものづくりのワ"は、都内の「攻める町工場」3社が結集し、ひとつの組織のように機能して、 イノベーティブな組織づくり、ものづくりをおこなうためのアライアンスを組みました。今野製作所はその一員です。 ...more

ものづくりのワ
今野製作所は、2016年、西川精機製作所(江戸川区 代表取締役西川喜久氏)、
エーアイエス(江戸川区 代表取締役石岡和紘氏)と伴に、「東京町工場ものづくりのワ」プロジェクトを発足しました。
板金加工、切削加工、機械設計など同業とも言える近いコア技術をもった中小企業3社が連携して、
新しい時代に必要とされるものづくりのニーズに応えていきます。
東京の町工場は事業所数、就業者数伴に減少の一途をたどっていますが、むしろその役割はこれからますます重要になってくるものと思われます。 なぜなら、東京および関東圏は、さまざまな分野の企業、大学等の研究機関が集積し、環境・エネルギー・医療・理化学・福祉・ロボット等、 これからの日本の課題解決に向けた研究開発が行われています。そこには試作開発をサポートするものづくりの担い手が必要となるからです。 町工場は、長年培った経営基盤、技術基盤のうえに新たなビジネスモデルを構築する「第二創業」を行うべきときにいる。そうした時代認識のもとに結集したユニットです。
これまでのような「共同受注グループ」にとどまらず、引き合いから技術提案、見積もり提出までのビジネスプロセスを綿密に分析したうえで共有。 企業を越えた情報連携を可能とする、IT基盤システムを共同開発し、業務の円滑な「つながり」を実現します。また、なにより重視していることは、 人材育成、技能継承、技術力の向上に一緒に取り組むことです。信頼関係をベースにした「緊密なつながり」をもつ私たち「東京町工場ものづくりのワ」は、 3社のユニットとして、さらに幅広い分野と「ゆるやかなつながり」を持っています。強いつながりにより技術を深めつつ、 ゆるやかなつながりが幅を広げる。中小製造業の新しい生態系を生み出そうと、精力的な活動を推進しています。


日本版インダストリー4.0(IVI)
"つながる町工場"は、日本を代表する大手企業と、下支える中小企業を含む、国内外150社の製造業の参画するフォーラムです。
IoTの時代を切り開くものづくりを標榜し、「日本版インダストリー4.0」と称され期待を集めています。
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インダストリー4.0(IVI)
これまでの10年間で、インターネット社会が人びとの暮らしや仕事のやりかを大きく変え、
そして同時に、社会の成り立ちや産業構造も、大きく変わろうとしています。
こうした変化のスピードはさらに速まり、
これから20年後には、おそらく現在からは想像もできない世界になっていても不思議ではありません。
IVIは、IoT 時代におけるものづくりと IT の融合によって可能となる"つながる"ものづくりを、 "ゆるやかな標準"というコンセプトをもとに実現することを目的として 2015 年 6 月 18 日に設立された製造業を中心としたフォーラムです。 IHI、オムロン、川崎重工業、キヤノン、神戸製鋼所、小島プレス工業、ダイフク、東芝、トヨタ自動車、豊田中央研究所、 ニコン、日本電気、パナソニック、日立製作所、富士通、マツダ、三菱電機、安川電機など、国内外で 150 社以上が参加しています。
今野製作所は、この歴史的な取り組みともいえるIVIに設立当初から幹事企業として参画しています。日本を代表する大企業に混ざって、 今野製作所が参加したのは、ふたつの理由からです。ひとつは、日本のものづくりを支えている中小企業の重要性と裾野の広さを考えるとき、 大企業だけの取り組みとなっては、IVIが目指す「つながる工場」の実現が不十分であること。 ふたつめは、経営資源の限られた中小企業にとって第四次産業革命への対応はきわめて厳しく、企業ごとの個別の取り組みだけでは限界があること。 こうした点で、西岡理事長と認識が一致したことによります。
初年度、今野製作所がファシリテーターを務めた「中小企業施策ネットワーク」ワーキンググループの活動報告が、IVIアワード最優秀賞を受賞しました。 IVI諮問表彰委員会、小川紘一委員長(東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)からは、 「日本のものづくりを担う中小企業の未来を切り開くことにつながる活動」であるとの評価をいただきました。
「日本版インダストリー4.0の取り組み」として国内外から注目されるIVIは、2016年6月には、組織の強化充実を目指して一般社団法人化して、 再スタートを切りました。今野製作所代表取締役の今野浩好は、理事に就任しました。
「力をあわせる力がある」会社。つながる力がある会社として、今野製作所は、これからもデジタル化、 オープン化、サービス化の大潮流にある日本の製造業の将来を見据え、小規模・中小のものづくり企業におけるIT、IoT活用の普及・実証に積極的に貢献していきます。


